​遺品整理士協会ってどんな団体？

正式名称を「一般社団法人遺品整理士認定協会」といいます。業界の健全化を目指すために2010年に設立された団体です。資格の認定を行っており、業者の育成のためのセミナーや現場研修も行っています。

高齢化が進む現在、孤独死や老老介護などが急速に増えています。そのため故人の家族や親族が対応できない状況が生まれつつあるのです。その結果、業者に依頼するケースが多くなっています。

しかし業者の中には、遺品を不法投棄する、法外な処分費用を請求する、などの悪質な業者も増え、正しい知識と本来の遺品整理のあり方を理解した人材を養成する必要性が生じてきました。このような背景から遺品整理士認定協会が生まれたのです。

協会の活動

社会的役割と事業者数の増大に伴うモラルの低下を是正することを理念とし、業界の健全育成をはかるため、養成講座を運営するとともに、認定試験を実施しています。

具体的に通信講座の運営、全国での開業セミナーなどを運営しています。経験豊富な方を講師に招いたり、現場体験セミナーを実施したり、サービスとしての質を高めるのサポートを行っています。

また大学教授や環境省などと連携し、悪徳業者についての実態調査や研究協力もおこなっているようです。

心得ていること

遺品整理士になるにあたっては遺族から依頼された仕事を遂行すべく、遵守すべき法律について学びます。また遺品を処分品と扱うのではなく、遺品整理は「故人に対する供養である」との概念のもと、これまで故人が大切にしていた物の扱いについての基礎から学んでいくのです。

こうして職業としてのあり方を習得し、心を込めて、そして遺族に寄り添って職務にあたります。

注目される理由

高齢化社会を迎えた現代では重要性が高まっています。一方で安定した収入を得られる仕事としても大きく注目されているのです。遺族からも喜ばれる仕事であり、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

もちろん、この仕事は遺品整理士にしかできない業務ではありません。特に必須の免許もありません。ただし需要の増加に伴い、業者も増え、悪徳業者も増えています。

そのため法に遵守し、基本的な知識を備えた資格者は大きなポイントになるでしょう。依頼者からの信頼にもつながります。

協会の評判

協会は一般の方からは馴染みのないものですが、リサイクル業者などの間では有名な団体です。この業界には引越し業者、便利屋、不用品回収業者、ハウスクリーニング業者、リサイクルショップ、不動産会社、買取業者など様々な業界から参入が相次いでいます。

人口が減少しており、市場が縮小されている業界においては注目が集まっています。その理由は専門業者として廃棄物処理の法令から、経営ノウハウ、営業や集客、成約率を上げるためにお客様への接客方法についてまで学ぶことができるからでしょう。そのため講座やセミナーの参加者は後を絶ちません。

また環境省と連携して、違法な不用品回収業者・無許可業者の情報共有も行っているため、そういった業者からは敵視されるようなこともあるようです。しかし業界の健全化を目指し、業者に依頼する人が騙されない社会の実現のために活動をしています。

こうした協会の姿勢にに胸を動かされる加盟業者も少なくないため、すでに多くの業者が加盟をしています。